今日は、母が回復期リハビリの病院へ転院してから初めての面会日でした。
ロビーで母を待っていると、
看護師さんに連れられた母が歩いてきました。
母は、最初は私たちを見つけられていませんでした。
C病院は通路や病室の狭い空間での面会だったので母もすぐにこちらに気づいていました。
S病院は、ロビーで待って、専用の面談ブースに移動して面会という形式です。
看護師さんが手を降る私に気づいて、母に耳打ちしてくれました。
「あれまー うれしい!」
母は驚いた顔をしていました。
おそらくロビーに降りたのは入院以来初めてで、
勝手が違う場所にやってきて
『なんだろう?』
と思っていたのだと思います。
ちょっと表情が硬かったように思います。
今日のお土産は、塗り絵とフォトブックです。
塗り絵は、植物画とお菓子や食べ物の塗り絵です。
「おっ すばらしい
むつかしそう できるかな」
「だいじょうぶ 好きな色塗ったらいいんよ」
「がんばります」
「暇な時やったらいいよ」
反応が気になっていたのですが、好評のようでした。
フォトブックは、お菓子とお花の二冊です。
母は、お菓子のフォトブックをみながら、
「できるかな?」
「できるかな?」
と言っていました。
「できるよ 一緒につくろうね」
「ほんとぉ うれしい」
母はお菓子を作る気満々です!
これまでもお菓子のフォトブックを見てもらっていたのですが、
「できるかな?」
というのを初めて聞きました。
大げさに言えば、『能動的な未来への希望』といった感じでしょうか。
とても嬉しくなりました。
お花のフォトブックを見ていて
「すばらしい きれいだ」
「いいいろ きれい」
「これは はちに あるの?」(訳:私の家に植えてあるものか?)
「これはね 植物園にあるんだよ」
「?」
「草をいっぱい集めてる所があるんだよ。 珍しいお花がいっぱいあるの」
「ほんと!」
「いろんな面白いお花あるからおもしろいよ」
「みんなで いこう」
「そうやな 行こうね」
またしても『能動的な未来への希望』を伺わせる発言がでました。
母が退院したら親子三人で植物園に行こうと思います。
あまり遠くなくて珍しいお花がたくさんある植物園を探してみようと思います。
ハスの花の写真をみて
「これは?」
「ハスね ハス 根っこがレンコンっていうお野菜のやつね」
「そうそう はちが はちが?」
「ハス ハス」
「はち が?」
言葉がうまく出てこないのかと思っていたのですが、『ハチス』と言いたかったのかなと思いました。
母は煎茶の師範で、お茶道具のなかに、ハスの花托を平たく潰した瓶敷がありました。
母が、それを見せながら、ハスの花托は蜂の巣に似ているので『ハチス』と呼ばれるのだと話していたのを思い出しました。
もし、そうであったなら、母の記憶はかなり残っているのかもしれません。
今回の面会では、母は未来への希望をもち、記憶をたどることもできているのではないかと感じました。
母の退院が楽しみです!
でも、手のかかる父の存在が・・・・
ケアマネージャーさんに相談してみます。
追記
母の記憶に関してもう一つ良い発見がありました。
母はアサギマダラが好きで、
毎年、少し遠出して写真を撮りに行っていました。
庭にアサギマダラが来ないかと、フジバカマやヒヨドリバナを植えて、アサギマダラが飛来するのを楽しみにしていました。
看護師さんが面会の終了を告げに来ました。
「ごめんなさいね 30分お話できました?」
「もう時間ですか 早かったなぁ」
「あれあれ わたしずっとなんだとおもってた」
どうも、母はこれから家に帰るのだと思っていたようでした。
フォトブックの残り数ページを急いで見せました。
裏表紙は、母の好きなアサギマダラです。
「はい、お母さんの好きなアサギマダラ」
「あれあれ みごと」
「蝶々が好きなんですね。」
「アサギマダラっていうんです。」
「おかあさん 毎年写真とりに行ってるよね」
母は嬉しそうに指さして頷いていました。
「すごいですね! 遠くまで行ってらっしゃったんですか?」
「K市に蝶が寄ってくるようにしてるところがあるんですよ。」
看護師さんと話している間も、母はアサギマダラの写真をみて微笑んでいます。
『アサギマダラ』のことはよく覚えているようでした。
自分がアサギマダラの写真を撮っていたという事も覚えているようでした。
これまでのフォトブックには、母が撮った写真も入れていました。
その写真を見せて、
「これ お母さんが撮った写真よ」
と言っても。
撮った覚えがない場合は
「ほんとう?」
と言っていました。
今回は、『そうそう』と頷きながら写真を撫でていました。
母が覚えている事を確認できた物が増えました。
『シフォンケーキ』
『ラズベリー』
『ハス』
『アサギマダラ』
まだまだ、増えそうです。
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