父とは和解しようと思います。
仏壇に供えるご飯は用意してあります。
洗い物も済ませました。
お茶は、いつものボトルが置きっぱなしなのでどうなったかわかりません。
母が私の名前を忘れてしまったショックと父との大喧嘩のせいで昨晩は一睡もできていません。
一晩、彼がキレた理由を考えてみました。
彼の発言をなぞってみると謎が解けました。
彼にとって家事(そういうレベルではないのですが)は苦痛なのです。
どうしてもやりたくない事なのです。
そのどうしてもやりたくないことは、母や私がやるのが当然だと思っているのです。
「あれやれこれやれ 俺はそんな無理してまで生きていたくない!」
と言っていたのですが、『無理』の内容は
・お風呂を入れる
・ボトルにお茶を入れる
・湯呑を棚に返す
です。
彼にとっては、これをするなら死んだほうがマシという事のようです。
ずいぶんと軽い命だなと思います。
「風呂をいれるのなんか簡単だぞ」
「そうですね 誰でもできます できることはやってください」
「なにいっとるんだ!」(訳:簡単な事だからお前がやれ)
終始こんなやり取りが続きました。
彼は家事に対する感謝を一切示しません。
母は、あまりにも目に余る時は
『おとうさいん これ誰のためのかな? おーぃ わかってる? 聞こえてますかぁー」
と言っていました。
そんな事を言われても父はテレビをみて無視するか
「はいはい おいしいです」
という程度でした。
状況は今も変わらずです。
魚がない、焼いたほうがよかった、小粒はいやだ(納豆)などなど文句は言います。
「ありがとう」とはたまに言いますが、これは母と私の口癖のようなもので
それがうつっただけなのです。
感謝の気持ちは入っていません。
「お母さんが帰ってきて二人で生活するってなったらどうするの?
お母さんは家事は何もできないんだよ」
「うるさい! 俺が全部やる!」
「できないと思います」
「おまえがいるからやらないだけで ぜんぶできる!」
「もう俺は施設にはいる! この近所だって入った人はいっぱいいるんだ! 調べてあるんだ!
この家は畳む!」
「施設に入るのと家を売るのは関係ないでしょ」
「金がない」
「お父さんが施設に入るのは反対しません
お父さんの意思で決めてください 尊重します
でも、お母さんどうするの
お母さん出てきたら住む家なくなっちゃうんだよ
お母さんの帰る家なくしちゃダメでしょ」
「お前が引き取れ! 岡山に連れて行って世話しろ!」
「岡山には連れて行きません!
お母さんは認知症で全部忘れていくんだよ
そんな状態で、行ったこともない、知り合いも誰もいない岡山に連れて行ったらもっと悪くなるでしょ
思い出のあるこの家をなくすのは絶対にダメです!」
彼も本気でそう思っているのではないと信じたいのですが、長年連れ添った母を『岡山で引き取れ俺は知らん』というのはどうかと思います。
私は岡山で母と暮らすのは大歓迎です。
パートナーも喜んで受け入れてくれるでしょう。
母が倒れる前はよく
「岡山のお家遊びに行きたいな でも電車にのれないから」
「迎えに来るから大丈夫だよ 来る?」
「ほんとぉー! 行きたいな でもお父さんいるから無理だな」
という会話をしていました。
母がこんな状態になっていなければすぐにでも岡山に連れていきたいです。
面会の時、母はいつも
「どうしてこうなった? ふしぎでふしぎで」
と言っています。
母は記憶が短期間で消えるようになっているので、病院にいるのが不思議でならないようなのです。
岡山に行っても同じ事になってしまうでしょう。
なんでここにいるんだろう?
そのうち私の事も忘れてしまえば
ここはどこだろう?
このひとはだれだろう?
となるのです。
そんな事は絶対にさせない。
<父がキレたもう一つの理由>
今朝、父と和解しました。
和解と言っても表面上の事です。
「昨日はありえないことをたくさん言った気がする。」
そう父は言いました。
彼と大喧嘩になる前
「後で大事な話がある」
と言われました。
食卓を挟んで向かい合った父は
「大事な話をするぞ
これはお母さんと決めたことだけど、俺が死んだら富山のH寺の墓に入れてほしい
TにあるS寺に葬式をお願いして
H寺にはお母さんと一緒に法名をもう頼んである」
母の話かと思ったら自分の葬式の話が始まりました。
「お母さんはまだ生きています。
葬式の話じゃなくてお母さんが退院した時の話をしたいです。」
「あぁ! 普通に考えて俺のほうが先に死ぬと思ってたけど、
お母さんのほうが先かもしれない」
「それはそうかもしれない」
「だから俺が死んだ時の話をしてるんだ!」
「お母さんは後何か月かで退院します。
お父さんが死ぬより先です。
お母さんが退院した時の話がしたいです!」
「なに言っとるんだお前は
お母さんがああなってその時俺の葬式をだすのはお前だぞ
さっき言ったとおりにしてくれ」
「わかりました 書いておいてくれたらその通りにします。」
「なにぃ! 大事なことだからさっき言ったんだろう」
「書いておいてもらわないとわかりません」
「何言っとるんだ おまえは」
ほんとうに何を議論しているのか理解できなかったのですが、一晩経って謎が溶けました。
・父は自分の葬式のプランを立てていて準備を済ませている
・父は母より先に死ぬので、母にそのプランに沿った葬式を出してくれと頼んでいた。
・母が今の状態になり葬式を出せない、もしくは先に死ぬので、父の葬式は私が出すことになる
『だからお前が俺の葬式プランを実行しろ』
という事でした。
彼の『大事な事』とは自分の葬式だったのです。
大事な自分の葬式の話をしているのに、
私が「今はその時ではない、お母さんの話をしたい」
と言ったので、俺の大事な葬式を蔑ろにされたとキレたのです。
母がこんな状況になった今でも自分の葬式が優先されるのです。
正に鬼畜の所業です。
私はこんな父を許すことはできません。
今朝、「昨日はありえないことをたくさん言った気がする。」と言った後
「昨日は初めて僕が死んだ時の話をしたけど、お母さんがこんなことになって、僕が死んだ時困らないように****」
私の理解の通り、『自分の葬式プランを優先してほしいという事を言いたかった』という意味の事を言いました。
これを母が聞いたらどう思うのだろう。
今の母はこんな事は理解できなくなっているのが救いです。
私が父の葬儀プランを実行することはないでしょう。
火葬後は、「散骨します」と言って粉にしてもらい、可燃ごみで出してやろうかと思います。
昼に父が
「一生 おかあさんと一緒に居る」
と言いました。
昨日の失言を反省したのだと思います。
水に流そうと思いました。
「そうやなぁ いっしょにいないとな」
今回の事は優先順位の違いから生じた軋轢でした。
私は母ファースト
父は自分の葬儀ファースト
父は母がこうなるとは全く想像したことがなかったので混乱しているのでしょう。
母が葬儀を出してくれないとなったらどうなるんだ・・・・・
その心配が先にたってしまったのだと思います。
それを『今じゃない』と否定した私にカッとなってあんな事を言ってしまったのでしょう。
彼の優先順位を受け入れるわけではありません。
家事の負担については、彼が貢献できるのは100の内1くらいです。
100の負担も99の負担も大差ありません。
文句さえ言わなければ100負担しても問題はないのです。
文句を言わないのが前提ですが、流石に今回の件で反省したと思うので気を使ってくれるのではないかと思います。
家を売るという話も、父は事務手続き一般全くできないので売ることはできません。
父には、不動産屋を調べる事も、電話をかけることもできません。
実質使えないカードなのです。
母の帰る家はここしかありません。
親子三人で食卓を囲める日が再び訪れる事を祈ります。
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