顕微鏡観察法:暗視野観察法

顕微鏡徹底カスタマイズガイド発売中です。


 暗視野観察法はコンデンサーに視野中心部の光を遮断するフィルターを取り付けて、周辺から漏れる光でサンプルを照らして観察する方法です。名前から受ける印象と違い、普段私達が見ている世界に近い正面から光を当てた感じで観察することができます。観察には暗視野コンデンサーが必要ですが、簡単な自作フィルターと普通のコンデンサーで暗視野照明をする事ができます。

左が暗視野観察したツリガネムシで、右が透過明視野観察像です。
暗視野観察では本来の色が観察できます。
透明な部分は透明に見えます。

 暗視野照明の場合、視野の背景は照明を遮断したフィルターによって黒くなります。黒い背景に周辺から漏れた光に照らされたサンプルが浮かび上がって来ます。図鑑などに載っている写真で背景が黒いものは暗視野観察法を使ったものです。暗視野観察は落射光を用いた顕微鏡でも同じ仕組みで行うことができます。見た目も透過光を使った暗視野観察と同じような感じになります。透過光の明視野観察ではサンプルの影を見ているため、サンプルの色はよくわかりません。暗視野観察の場合、サンプルを照らす光は周辺から当たるため、影ではなく反射光として見えます。そのため、サンプル本来の色を観察することができます。微生物もきれいな色をしている事がわかります。その幻想的な眺めは数ある顕微鏡観察法の中で最も美しいものかもしれません。また、サンブルを照らす光量が減るので光を嫌う生物に優しい観察法です。
 暗視野観察した例はこちらを御覧ください。
背景に色を付けた暗視野観察方を開発しました。こちらの記事をご覧ください。
赤で囲った部分にコンデンサーがあります。

CH-2のコンデンサー
一番下のパーツははめ込み式で固定されています。

少し固いですが引っ張ると外せます。
色調調整用のブルーフィルターが入っています。

ブルーフィルターを取り外して暗視野用遮光プレートを入れたところです。

暗視野用遮光プレートは3Dプリンターで作りました。

暗視野コンデンサーを下から見たところです。
このコンデンサーで暗視野観察できるのは20倍の対物レンズまでです。
高倍率の対物レンズで暗視野観察するには専用の暗視野コンデンサーが必要になります。


 このCH-2は光源をLEDに改造しています。そのためブルーフィルターが必要なくなり、代わりに暗視野用遮光プレートを入れられました。また、暗視野観察は暗くなるので通常の光源では生体の撮影は難しいかもしれません。LED化は光量の増大の意味もあります。CH-2のLED化キットを販売中です。

 暗視野用遮光プレートはOlympus BH-2, BX対応のNA 0.9のハネノケコンデンサーとNA 1.25のコンデンサー用、Nikon OptiPhoのハネノケコンデンサー用を作成しました。 

BH-2 BX用NA1.25コンデンサー用暗視野用遮光プレート(右)
現モデルとは異なります。
最新モデルはこちらの本に掲載しています。
コンデンサーの下からはめ込みます。
観察中に出し入れ可能です。

BH-2 BX用NA0.9ハネノケコンデンサー用暗視野用遮光プレート(右)
現モデルとは異なります。
最新モデルはこちらの本に掲載しています。
コンデンサーの白いテープは鉄板で
暗視野用遮光プレートに取り付けた磁石で固定します。
観察中に出し入れ可能です。

OptiPhot用NA0.9ハネノケコンデンサー用暗視野用遮光プレート(右)
現モデルとは異なります。
最新モデルはこちらの本に掲載しています。
コンデンサーの白いテープは鉄板で
暗視野用遮光プレートに取り付けた磁石で固定します。
観察中に出し入れ可能です。


 これらの暗視野用遮光プレートは単体販売を検討中です。





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