顕微鏡徹底カスタマイズガイド
顕微鏡撮影マニュアル ミラーレス一眼を使った顕微鏡撮影@Amazon
顕微鏡撮影のマニュアルを出版いたしました。下記の記事より詳しく解説してあります。よろしければご一読ください。
顕微鏡撮影での全体的な話はこちらをご覧ください。
カメラに像を中継するレンズなのでリレーレンズと呼ばれます。photo eyepieceとも呼ばれます。接眼レンズと同じで、これがなければカメラにはなにも写りません。リレーレンズの倍率には様々なものがあり、撮影に使うカメラのセンサーのサイズに合わせて選ぶことになります。センサーサイズの小さな顕微鏡用カメラは1倍以下のリレーレンズが組み込まれたアダプターを使います。0.3倍から1倍ほどのリレーレンズが組み込まれたcマウントアダプターは日米のAmazonで簡単に見つけられます。eBayにもかなりの数の出品があります。出品元は多いのですが、商品の写真を見るとどれもほぼ同じなので、製造元はあまり多くはないようです。縮小する方のリレーレンズは周辺減光が目立つことがあるそうです。実際にニコンの2/3 inchセンサーを搭載した顕微鏡用カメラDXM1200を、0.5倍のリレーレンズに繋いで使ってみました。確かに四隅が暗く写ってしまいます。DXM1200には0.63倍のリレーレンズが付属していたようなので0.5倍では合わないのかもしれません。
APS-Cセンサーのレンズ交換型カメラで使用できるアダプターは2.5倍以上です。APS-Cに合ったリレーレンズの倍率は1.67倍なのだそうですが、1.67倍のリレーレンズは見たことがありません。かなり希少なレンズなのではないでしょうか。フィルムで顕微鏡写真を撮っていた頃はフルサイズが当たり前で、APSサイズのフィルムカメラは、デジタルカメラ勃興期と重なるようにして数年間存在して消えていきました。そのため、APSサイズのリレーレンズには市場価値がなかったのではないでしょうか。フィルムの場合、フィルムのサイズが小さくなれば解像度も下がるので、APSサイズを採用するメリットは無かったのでしょう。2.5倍のリレーレンズでも、実視野に占める撮影範囲は十分に広く不満は無いと思います。広く写したければ対物レンズの倍率を下げればよいので問題はないでしょう。2.5倍以上のリレーレンズは、単純に大きく写したい時に使う事ができます。この用途が一番重要ではないかと思います。顕微鏡は焦点が固定されているので、大きく写すために被写体に寄ることは出来ません、ズームレンズを使うようにリレーレンズを交換して拡大して楽しみましょう。
0.71倍のマウントアダプターを使うことでAPS-Cセンサーでフルサイズ相当の画角で撮影できました。こちらの記事をご覧ください。
2.5倍のリレーレンズを使ってAPS-Cサイズのセンサーのカメラで撮影した例を載せておきます。
オリンパスのリレーレンズ
これらのリレーレンズはオークションなどの市場に出回っています。
FKは古いタイプのリレーレンズで、レンズ取り付け部の直径はFK, NFK共に23.2 mmです。FKは同焦点距離36.65mmの対物レンズ用で、NFKは同焦点距離45mmの対物レンズ用のリレーレンズなのだそうです。ただし、この2つのリレーレンズを対物レンズの同焦点距離45mmの系で混用していますが、FKでもNFKでも全く同じように使えています。画質の劣化を感じたことはありません。厳密には何か違いがあるのかもしれませんが、趣味で運用するにあたって問題はないようです。また、レンズ取り付け部の直径は23.2 mmとなっているので、ニコンの古い顕微鏡のカメラポートにもおさまります。AmScope社の実体顕微鏡の三眼鏡筒のカメラポートにも取り付けられました。(他のAmScope社の顕微鏡にも取り付け可能かもしれませんが、実機がないので調べられません。)古い顕微鏡であれば接眼部にも取り付けられるでしょう。また、直径30 mmのリレーレンズ取り付け部を持つZeissの顕微鏡には、アダプターを付けることで装着可能です。
PEは最新のUIS, UIS-2光学系用のリレーレンズです。オリンパスは大きなセンサーサイズのカメラを使わない方向に進んでいるので、このリレーレンズが最後のモデルとなる可能性が高いです。
Nikonのリレーレンズ
ニコンのリレーレンズには1x, 2.5x, 4x,5xなどの倍率があります。1xのリレーレンズは1 型のセンサーを持つNikon1で撮影する際に使うことができます。OptiPhot世代のニコンのリレーレンズはオリンパスのリレーレンズとは互換性がありません。そのため、OptiPhotでは他社のリレーレンズの流用はできません。流通量はオリンパス製と同じくらいですので入手は比較的容易です。
Zeissのリレーレンズは現行の光学系向けは2.5倍のものだけのようです。めったに出てきませんし、現行のカタログにはリレーレンズが載っていないので詳細は不明です。
古いZeiss製リレーレンズはeBayで低価格で見つけることが出来ます。他の顕微鏡に流用できるのかは不明です。
2.5倍のリレーレンズを使った場合のセンサーサイズ毎の撮影範囲です。
フルサイズの撮影範囲は、フルサイズのカメラを持っていないので予想です。
CXはNikon1で採用されている1型センサーです。
APS-Cの撮影範囲は赤枠の部分です。
10倍の対物レンズと2.5倍のリレーレンズの組み合わせで、APS-Cサイズのカメラで撮影すると
23.6mm(センサーの長辺)/10(対物レンズ倍率)/2.5(リレーレンズ倍率)=944μm
となり、写真の長辺が944μmになります。(他の倍率のレンズの組み合わせについては数値を変えるだけ計算できるので割愛します。)
ここで販売しているカメラアダプターは、だいたいこの大きさになるように設計してあります。
100μm目盛りのミクロメーター
カメラ Sony NEX-5N (APS-C)
対物レンズ Olympus Splan 4
リレーレンズ Olympus NFK2.5
100μm目盛りのミクロメーター
カメラ Sony NEX-5N (APS-C)
対物レンズ Olympus Splan 10
リレーレンズ Olympus NFK2.5
10μm目盛りのミクロメーター
カメラ Sony NEX-5N (APS-C)
対物レンズ Nikon 20
リレーレンズ Olympus NFK2.5
オリンパスのリレーレンズ
FK 2.5x
FK 3.3x
FK 5x
FK 6.7x
NFK 2.5x
NFK 3.3x
NFK 5x
NFK 6.7x
PE 2.5x
PE 3.3x
PE 5x
これらのリレーレンズはオークションなどの市場に出回っています。
FKは古いタイプのリレーレンズで、レンズ取り付け部の直径はFK, NFK共に23.2 mmです。FKは同焦点距離36.65mmの対物レンズ用で、NFKは同焦点距離45mmの対物レンズ用のリレーレンズなのだそうです。ただし、この2つのリレーレンズを対物レンズの同焦点距離45mmの系で混用していますが、FKでもNFKでも全く同じように使えています。画質の劣化を感じたことはありません。厳密には何か違いがあるのかもしれませんが、趣味で運用するにあたって問題はないようです。また、レンズ取り付け部の直径は23.2 mmとなっているので、ニコンの古い顕微鏡のカメラポートにもおさまります。AmScope社の実体顕微鏡の三眼鏡筒のカメラポートにも取り付けられました。(他のAmScope社の顕微鏡にも取り付け可能かもしれませんが、実機がないので調べられません。)古い顕微鏡であれば接眼部にも取り付けられるでしょう。また、直径30 mmのリレーレンズ取り付け部を持つZeissの顕微鏡には、アダプターを付けることで装着可能です。
PEは最新のUIS, UIS-2光学系用のリレーレンズです。オリンパスは大きなセンサーサイズのカメラを使わない方向に進んでいるので、このリレーレンズが最後のモデルとなる可能性が高いです。
Nikonのリレーレンズ
CXフォーマットのNikon1でリレーレンズの倍率毎に撮影できる範囲です。
1倍のリレーレンズは持っていないので予想です。
1倍のリレーレンズとCXフォーマットの組み合わせだと、2.5倍のリレーレンズとフルサイズのカメラの組み合わせと同じくらいの範囲が写せるようです。1xのニコンのリレーレンズはeBayによく出ています。Nikonの顕微鏡ユーザーで、フルサイズのカメラは高くて手が出ないけれど視野のできるだけ多くを写したいという場合は、1倍のリレーレンズとNikon1の組み合わせが良いかもしれません。ただし、Nikon1には顕微鏡用のカメラとしての難点があります。
Zeissのリレーレンズは現行の光学系向けは2.5倍のものだけのようです。めったに出てきませんし、現行のカタログにはリレーレンズが載っていないので詳細は不明です。
古いZeiss製リレーレンズはeBayで低価格で見つけることが出来ます。他の顕微鏡に流用できるのかは不明です。
0.71倍のマウントアダプターを使ってAPS-Cセンサーでほぼフルサイズの画角を撮影できることがわかりました。
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