顕微鏡徹底カスタマイズガイド発売中です。
顕微鏡撮影のマニュアル本を販売中です。
顕微鏡にはおもちゃから研究用まで様々なグレードがあります。写真撮影におすすめのグレードは実習、研究用のものになります。このクラスの顕微鏡でなければ三眼鏡筒がありません。カメラ付きの顕微鏡やカメラとセットで売られている顕微鏡もありますが、カメラの性能は低くせいぜい数百万画素で、写真のみの撮影といった仕様が多いようです。実習、研究用グレードの中古のものはオリンパスやニコンのものであれば機器を組み替える事によって様々な観察法が使えるように拡張する事が可能です。オリンパス製のものは本体、拡張用のパーツ共に多く出回っています。ニコンは最後まで有限補正系にこだわっていて、機械鏡筒長の異なる機種をいくつも出していたようなので、パーツ選びに苦労するかもしれません。
中古の顕微鏡の入手先ですが、中古の顕微鏡を扱う業者から買うのが安心ですが価格は高くなります。日本のオークションでは、出回っているものの半分以上はガラクタ同然のものです。出品者が「知識がありませんので・・・・」と書いているものはたいていガラクタです。ガラクタでも安く買うことができれば、パーツを交換したり補修することで使えるものもあります。後で説明しますが顕微鏡には幾つか規格があり、互換性のないものもあります。規格が同じであれば異なるメーカーのパーツを組み合わせても使用可能な場合が多いのですが、規格が異なると全く使い物になりません。日本のオークションでは、寄せ集めのパーツを適当に組み立てたものが出品されている場合があります。有限補正系と無限遠補正系の混在など、ありえない組み合わせのものは落札しない方がよいでしょう。商品名や説明で対物レンズと接眼レンズの区別や、生物顕微鏡と実体顕微鏡の区別がついていない出品者も見かけます。顕微鏡の種類についてはかなり多くの出品で間違っています。商品名と写真に写っているものが異なる種類のものである場合は落札しないほうがよいでしょう。海外のオークションサイトで最も有名なeBayにも多くの顕微鏡が出品されています。価格はあまり安くありません。日本のオークションと違って壊れたものは壊れている(Not working for parts)と書かれていますので、状態がUsedであればまともな状態である可能性が高いです。また、eBayの出品のなかには整備済みのものが出品されていることも多いです。日本のオークションサイトでは整備済みの顕微鏡が出てくることはあまり無いので、整備済みの中古品を購入する目的で利用しても良いと思います。新品でも中古でも海外から顕微鏡本体を購入する場合は、輸送費が高額になることがあるので、送料も考慮に入れて選びましょう。eBayでは、対物レンズは割と安く手に入れる事ができます。規格を確認して探してみてください。
新品の顕微鏡はオリンパスやニコンのものは実習用のものでも40万円ほどします。私はこの値段でこのグレードの顕微鏡を買う気にはなりません。ZeissやLeicaと言った有名海外メーカーのものはもう少し高くなります。新品がほしいのであれば、マイナーメーカー製のものを買うことになると思います。日本で売られているマイナーブランドの顕微鏡は価格も高く、拡張性もほとんどありません。大半がOEMもしくはただの輸入品のリネームようです。どうせ海外から来るのであれば、海外から買ったほうが安く手に入れる事ができます。数年前にAmScopeというアメリカのメーカーの実体顕微鏡を購入した事があります。十分な性能をもった顕微鏡でした。メーカーのサイトを見ると研究グレードの顕微鏡も揃っていて正立、倒立、実体の各顕微鏡、明視野、暗視野、位相差、偏光、蛍光、落射照明の顕微鏡がラインナップされています。それぞれの顕微鏡に学習用から研究用までのグレードが揃えられており、有名メーカーの1/10程度の価格設定になっています。ラインナップが充実しているので、すべてをAmScopeで揃えるのであれば困ることはないかもしれません。三眼鏡筒が付いた顕微鏡はAmScope社の新品だと3万円台からあります。(アメリカのAmazonからも購入可能です。)
顕微鏡のお勧めはオリンパスのCH-2,
BH-2の中古です。CH-2は上位機種のBH-2と接眼部に互換性があるので三眼鏡筒を共有できます。CH-2独自のオプションもあり、コンデンサーやレンズを交換することで暗視野観察、位相差観察をすることができます。標準で付いているコンデンサーにはフィルターホルダーが付いているので、自作フィルターで遊ぶことも出来ます。BH-2はCH-2の上位機種で、非常に拡張性が高く、明視野、暗視野、位相差、偏光、微分干渉、落射蛍光、落射照明観察を行う事ができるように組み替えることができます。光学系も有限補正系と無限遠補正系に組み換えることが可能で、これほどの拡張性を持った顕微鏡は他に無いのではないでしょうか。どちらも長く販売された顕微鏡なので、かなりの数が出回っています。
Olympus CH-2 CHS
光源が6V 20Wのハロゲンランプ。
CH-2 CHTは光源が30Wのタングステン電球。
ハロゲンランプのCHSがおすすめです。流通量はCHSの方が多いようです。
Olympus BH-2 BHSU
光源は12V 100Wハロゲンランプ。
Olympus BH-2 BHS
光源は12V 100Wハロゲンランプ。
BHSとBHSUの違いは対物レンズを取り付けるレボルバーの傾斜の違いです。
BHSUは現行機種と同じレボルバーの傾きになっています。かっこいいですね。しかし、おすすめはBHSです。BHSはレボルバーの交換が可能でBHSUより拡張性が高い機種です。
BH-2にはBHTという型番の機種もあります。これは光源が6V20Wのハロゲンランプの機種になります。BHTはランプハウスが無く、100Wのハロゲンランプを搭載した機種は後ろにランプハウスがついているので見分けられます。20Wのハロゲンランプはかなり暗いと思われるのと、価格がほぼ同じなので100W光源の機種を選ぶほうがよいでしょう。
CH-2とBH-2の各観察法への対応状況です。◎は対応しておりパーツが手に入る可能性があるもので、〇は対応しているがパーツの入手が難しかったりパーツに制限があるものです。
Comments
Post a Comment