BH2ステージ用シャーレホルダー試作

  BH2のステージ用のシャーレホルダーを作りました。ユーザーTさんからのご依頼で作成したものです。正立顕微鏡でステージにシャーレを乗せて使うという事は想定されていないので、純正部品にシャーレホルダーは存在しません。用途としては金属顕微鏡のサンプルを乗せるのによさそうです。これまではスライドガラスにサンプルを乗せていたので、大きなものは乗せることができませんでした。今回はハグロトンボを丸ごと乗せてみました。シャーレを回転させることでサンプルの角度も変えられます。ただし、BH2のステージはあまり下に下がらないので高さがあるサンプルはピントが合いません。翅だけなどに切り分けたほうがよさそうです。高倍率の対物レンズはシャーレの縁に当たってしまうのでなんとか改善できないかと思っています。シャーレではなく平板にしてしまえば良いのですが、そこに回転させる仕組みを組み込みたいです。試作段階ですが現状で使ってみたいという方にはお譲りすることは可能です。お問合せフォームよりご連絡ください。




ハグロトンボ
水辺に生息する大型のイトトンボです。全身黒色で角度によっては青緑色に輝いて見えるとても美しいトンボさんです。

カワトンボの翅上面の落射照明暗視野観察
Objective lens: Olympus NeoSPlan 10 NIC
Relay lens: Olympus NFK2.5
Camera: Sony α6300
Image stacking: Helicon Focus

上の写真を3D表示したもの
翅脈の部分が山になっています。

カワトンボの翅上面の落射照明暗視野観察
Objective lens: Olympus NeoSPlan 5 NIC
Relay lens: Olympus NFK2.5
Camera: Sony α6300
Image stacking: Helicon Focus

上の写真を3D表示したもの

赤枠の中は10倍の対物レンズで撮影した画像です。

 対物レンズ10倍と5倍の写真は同じ部分を撮影しています。見比べてみると黄緑色に輝いている領域が異なります。おそらくこの色は構造色で10倍と5倍の対物レンズではレンズの位置が異なることに起因する違いだと思われます。翅脈の反対側にも同じ構造があるのかもしれません。色の斑は表面の凹凸を現しているようです。これを確かめるためにサンプルを傾けられる仕組みをシャーレホルダーに組み込んでみたいです。落射微分干渉観察も試みましたが翅が透明なので無理でした。透過微分干渉観察もしてみたいのですが翅を切り取るのが惜しいので試していません。別個体の亡骸を見つけたら試してみます。
 観察したハグロトンボさんは熱中症でお亡くなりになったと思われます。道に落ちていて、見つけた時は僅かに動いていました。日陰に移して水分補給をしたのですが手遅れでした。今年の夏は熱中症でお亡くなりになったと思われる虫さんをよく見かけました。オシロイバナやフウセントウワタが結実しない現象も起きています。過酷な夏でした。

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