TさんによるOlympus CX31改造レポート

 ユーザーのTさんからOlympus CX31の改造レポートを送っていただきました。CX31は無限遠補正光学系の顕微鏡です。光学系は最新のUIS2光学系となっています。最近のオリンパス(現EVIDENT)の顕微鏡の情報はなかなか集まりません。説明書をダウンロードしようとしても名前やメールアドレスなどの入力が必要で、メールにダウンロードリンクが送られてくるようになっています。それだけなら良いのですが私は複数回入力しても一度もメールを受け取ることができていません。あの個人情報はどうなったんだろう?と少々不安です。情報が乏しい中、TさんはCX31への暗視野観察環境の導入とBXシリーズの三眼鏡筒の導入を行われています。

 CX31で暗視野観察を行う場合、暗視野コンデンサーの導入が必要となるようです。CX31の明視野の標準コンデンサーにはブルーフィルターがセットされたCH2のコンデンサーのようなフィルターホルダーが付いているように見えるのですが、フィルターホルダーに見える部分は取り外せないようになっておりCH2のようにフィルターホルダーに暗視野フィルターをセットすることは出来ません。

矢印で示したパーツがなくなると絞り羽が脱落します。CX31のフィルターホルダーに見える部分を取り外すと絞り調節リングが外れ絞り羽が脱落してしまう鬼仕様となっているそうです。

 併売されていた上位機種のCX41のコンデンサーはこの部分がフィルターホルダーとなっているようで暗視野フィルターをセットして暗視野観察を行うことができます。CX41コンデンサー用のフィルターホルダーはCX31のコンデンサーには取り付けられないそうです。CX41のコンデンサーをCX31に流用したいところですが、TさんはCX31コンデンサーの絞り羽が落ちないようにしぼり調節リングを固定する改造を行って、フィルターホルダーに見える部分をフィルターホルダーとして機能させることに成功しています。

ピンバイスでCX31のコンデンサー底部に3箇所ネジ穴を開けます。

3箇所のネジ穴に細いボルトを取り付けます。これで絞り調節リングの落下を防止します。

改造CX31コンデンサーのフィルターホルダーに暗視野フィルターをセットして暗視野観察環境が整いました。

 暗視野フィルターは純正のものではなく小世界研究所製のものを使われています。純正のものはCX41コンデンサー用なので合わないようです。CHから始まるCシリーズのコンデンサーにはフィルターホルダーが有ることが特徴であったにもかかわらず、なぜかCX31だけフィルターホルダーとしての機能が省かれてしまった残念な仕様変更を見事に改造で解決されています。試し撮りの写真も送っていただきました。海砂を暗視野観察されたものです。サンゴ、貝殻、有孔虫などの殻が砕けたもので構成されている南国の海砂です。ステンドグラスのようで顕微鏡写真から白い砂浜の雰囲気が伝わってきます。


顕微鏡: Olympus CX31改造コンデンサー仕様
暗視野フィルター:小世界研究所製8 mm
対物レンズ: 4倍
リレーレンズ: Olympus PE3.3x
カメラ:Sony α6300

顕微鏡: Olympus CX31改造コンデンサー仕様
暗視野フィルター:小世界研究所製8 mm
対物レンズ: 10倍
リレーレンズ: Olympus PE3.3x
カメラ:Sony α6300

 これらの写真を撮られた環境も改造環境です。写真はSonyのAPS-Cフォーマットのミラーレスカメラα6300で撮影されています。カメラを取り付けるためには三眼鏡筒が必要となります。Tさんが入手されたCX31は双眼鏡筒でした。Tさんは三眼鏡筒が付いたBX50をお持ちで、その三眼鏡筒をCX31に乗せて撮影されています。CXとBXの鏡筒取付部の仕様は共通とのことで問題なく取り付けられるそうです。

Sony α6300
+
小世界研究所製カメラアダプター
+
Olympus U-SPTカメラポートアダプター
+
Olympus リレーレンズ
+
BX三眼鏡筒
+
CX31鏡基

という構成で撮影されています。Olympusの最新機種は観察しやすいようにステージの位置が低くなり、コンデンサー周りの仕様が大きく変わりましたが、Tさんの検証から、ステージから上の仕様には変更が加えられていない事がわかりました。

まとめると
CX31のコンデンサーにはフィルターホルダーが無い。
CX41コンデンサー用のフィルターホルダーはCX31コンデンサーに取り付けられない。
CX31にBX用鏡筒を取り付けることができる。

となります。この情報で無駄な買い物をする事がなくなると思います。重要な情報ありがとうございました。









 

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