以前ご紹介した透明サンプルの落射照明微分干渉観察の条件検討をしてみました。金属顕微鏡と言われる落射照明の顕微鏡はその名の通り金属など光を透過しないサンプルの表面を観察する顕微鏡です。透過サンプルの微分干渉観察を行う場合通常は透過照明である生物顕微鏡の微分干渉顕微鏡を用います。しかし、生物顕微鏡の微分干渉顕微鏡は数が少なくとても高価です。落射照明の微分干渉観察ができる顕微鏡は出回っている数が多く比較的安価に入手可能です。このあたりは本を参考にしていただけたらと思います。落射照明微分干渉観察で透明サンプルを観察する際はサンプルの下に鏡を置き反射した光で微分干渉観察を実現します。この鏡の違いが像にどのような影響を与えるか検証してみました。
サンプルの下の反射体として100均の手鏡とハードディスクのプラッタを使いました。ハードディスクのプラッタとはハードディスクの記録媒体で金属の板に磁性体をコーティングしたものです。この表面が鏡になっています。通常の鏡と違い反射層の上にガラスがありません。結果を見るとハードディスクのプラッタを使った場合が一番コントラストの高い像となっています。これはサンプルを透過した後反射層に至るまでのガラスの有無による違いだと思われました。今後はハードディスクのプラッタを使って観察しようと思います。ハードディスクのプラッタを顕微鏡のステージに乗せるホルダーも作ってみました。また今度ご紹介させていただきます。
鏡を使った微分干渉像に実像と鏡像があるのですが、これは実像がサンプルを直接観察したもので、鏡像はサンプルを透過して鏡に映った像を観察したものです。ステージを上げ下げして観察していると鏡像を観察してしまっている事があり画質の違いが気になっていました。鏡像はサンプルが間に入っているのでぼやけた像になっています。ガラス層のある鏡を使って観察する場合は注意が必要です。
ハードディスクのプラッタにサンプルを乗せたものです。
手鏡にサンプルを乗せたものです。
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